「とある魔術の禁書目録」8巻読了

5日に手に入れて読了してたんですが、公式発売日の10日も過ぎたので感想。以下ネタバレ。


このシリーズ、その巻で関係ないサブキャラはまったく出てこないので、特定キャラのファンは新刊の発売前はやきもきすることになるのですが、8巻については発売前から絵師の灰村さんのホームページに表紙と設定資料が公開されていました。人気キャラであるビリビリ・ミサカ妹・打ち止め・一方さんの設定資料が公開され、科学側のサブキャラはほぼフル出場という布陣。今まではちょい役だったビリビリの後輩・白井黒子がフォーカスされ、新たに公開されたキャラデザも良いツインテールでした。「これは期待出来る」とwktkしながら発売を待っていました。
入手してさっそく読み始めたわけですが、まずカラー挿絵の多さにニヤニヤ。序盤のファンサービスも楽しませてもらったのですが・・・。その後は、いまいちだった、という感想です。以下、理由です。
1.作者の鎌池さんは2chの自分の作品のスレを読んでいるらしく、スレで指摘されている矛盾点の穴埋めに必死になっている印象を受けました。この巻の主題のテレポーター同士の対決・レベル付けも少し前に2chで話題になっており、そこから話のネタを思いついたのではないでしょうか、自分の作品の感想が気になるのは当たり前ですが、匿名掲示板の2chに流されるのもどうかな、と思います。2chの住民にしても設定の捕らえ方を議論して楽しんでいるだけで、矛盾点をこの作品の欠点とは捉えていないと思います。矛盾点を抱えているけど面白い作品なんていくらでもありますから、そんなことは気にせずに別のことに力を使って欲しいです。
2.場面の転換がうまく出来てない。8巻の戦闘部分は6つの場面(黒子戦闘→黒子治療→ビリビリ戦闘→黒子リベンジ→ビル崩壊→一方さん戦闘)で出来ていると思うのですが、各場面のつなぎにギャップを感じてしまいます。文章力・構成力が足りてないな、と。書きたいシーンのために無理やりその状況を作っているのが見えてしまい没頭出来ませんでした。初期の巻で指摘された「その巻でフォーカスされるキャラ以外の脇役はほとんど出てこない」を克服しようと最近の巻では登場人物を増やしているのですが、6巻以降(5巻は短編形式なので除外)で一番だめだったと思います。6巻は自然に場所・人物が移り変わっており、7巻では同じ場所での各個の戦いがうまく書かれていまいた。8巻は6巻に近い形式だったのですが、同時に動かすコマが増えています。それをこなすには力及ばずということでしょう。力をつけようとしている姿勢は好ましいですのでもっと頑張っていただきたいところ。同じ電撃文庫ではブギーポップがこの手の構成はうまいな、と思います。
3.ビリビリが神格化されすぎ。ビリビリを「お姉さま」と崇拝している黒子視点だからというのを差っぴいても「ビリビリっていつからこんなに完璧人間になったんだ?」と思いました。1巻ではトウマに突っかかってくるチンピラだったと思うのですが(笑)
馬鹿ばかりやるけど、根っこの部分はちゃんとしてる、ぐらいの方が良かったんじゃないかと思います。
4.逆さまの人とカエル先生が出てこない。科学側ならこの二人は必須でしょう。逆さまの人はいつもどおり冒頭と最後で暗躍を匂わせておけばいいし、カエル先生はミサカ妹や一方さん絡みで出せたと思うのですが、なんで出なかったのか不思議です。味のあるキャラでどちらもお気に入りなので残念でなりません。
5.燃えない。トウマvs敵のワンパターン展開のマンネリだと指摘されたおり、7巻の「しかし、彼女の幸運は止まらない」で大化けした・・・と、思っていたんですが、今回はどこで燃えていいのかわかりません。敵が黒子に「倒されて」いないのが引っ掛かります。「論破した」ことを倒すと考えることも出来ますが、その後の逆ギレ暴力を正面から止めてこその正義の味方かと思います。相手はやり逃げで無効化されたことにも気づいてないってのはすっきりしない。残り数秒の絶体絶命的状況でビリビリ+トウマの能力の併せ技で危機脱出を書きたかったのでしょうが、黒子が倒される直前にトウマとビリビリが到着し、敵は逃亡、それを一方さんが止めを刺す、でよかったんじゃないかと思います。
話の屋台骨になっている世界最高のスーパーコンピュータを巡ってのテレポーター同士の対決、というのは非常に良かったと思うんですが、そこにトッピングを追加しようとしたところ、分量と乗せ方と誤ってよくわからない味になった感じです。
9巻は熱い展開を期待しております。

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