城 繁幸 「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」 読了

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」の続編です。前作の感想はこちら

前作は日本の労働構造のいびつさを筆者の言葉で語っていた内容に対し、こちらは「どこに行ったのか」の実例を集めたルポルタージュ。

本書の前半は様々な経歴を持ち、それぞれの居場所に落ち着いた「若者」の実例がたくさん載っています。読んでいておもしろくはあるのですが、前作の補足資料みたいだな、と感じました。

後半になると、「実例」と「筆者の解説」の比率が逆転しはじめ、前作では語られなかった政治はどのようになるべきかを語り始めました。左派は前世代のための改革派で、現在の自分たちにとっては保守派という考え方は自分にはなかったので、新しい視点を得ることが出来ました。

真の改革とは、既得権にメスを入れるものだ。官僚を見てもわかるように、だからこそ既得権層はこれに異を唱える。公務員改革や教育改革、そして雇用の流動化を進める労働ビッグバン。こういった改革すべてに反対しているのが、他ならぬかつての革新政党のなれの果てだ。考えてみれば、彼ら左派が、ワーキングプアやネットカフェ難民を持ち出して「だから改革反対!」というのは奇妙なロジックだ。現実に格差は既に生じてしまっているのだから、論理的に考えれば「だから改革推進!」となるべきだろう。

いやまったくおっしゃるとおり。右派を避けたくて左派に投じた事のある自分の浅はかさが身に染みた。この新たな視点を与えてくれただけでも価格分の価値はありました。

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