東郷 雄二 「打たれ強くなるための読書術」 読了

京都大学人間・環境学研究科教授の東郷 雄二さんが書かれた本です。

この本を執筆される際にこれまでに出版された「読書論」本を数十冊も読まれ、それらに共通する偏向に不満を持たれ、それらとは違う「読書論」本として書かれたのがこの本だそうです。

不満と思われた点とは

  • 人格の陶治という精神論
  • 文学書に偏った推薦図書
  • 「古典を読め」の連呼
  • 自分の読書歴を長々と書く

です。

これらの点が問題なのではなく、これらの点に「偏向」していることが問題だと述べています。「もっと色んな形の読書論があってもいいだろう」と言うことでしょう。そのような例として以下の2冊をあげています。

この2冊の特徴は「精神論」ではなく「技術論」として「読書論」を語っているところです。どちらも翻訳本であることは偶然ではないように思います。日本では読書は「人格を鍛える」や「人生を豊かにする」といった観点から語られることが多く、海外のように「仕事や学業なので必要に迫られて短い時間で効率よく本を読む」という観点では語られていなかったということです。東郷さんは上記2冊を認めつつも「現代の日本人向けではない」と思われ、この本を書かれたとのことです。

本書では本の「探し方」「手に入れ方」「選び方」「読み方」「活用の仕方」と「知的読書」に必要と思われるすべてのステップが書かれてあります。中でもメインとなるのが「第8章 本の読み方 -段階編」です。東郷さんも「時間がない人は8章だけ読んで」とまえがきで述べています。

8章ですが、本の読み方を4段階に分けています。

  1. 初級読書 – 書いてあることを字義通り理解する
  2. 分析読書 – 切り分ける読書でより深く読む
  3. 比較読書 – 他と比べてみて本を位置づける
  4. 批判読書

後ろになるほど深い本の読み方です。自分の読書ですが、ひいき目に見ても「分析読書」レベルに至ることがたまにある程度でほとんどは「初級読書」で止まっています。書評ブログとして有名な「404 Blog Not Found」の小飼弾(dankogai)さんは「批判読書」の域に至っており、だから書評がおもしろい。「比較読書」以降は読んだ本の量が重要になってくるのですぐに至れるものではないですが、「初級読書」で終わらず、「分析読書」まで行く比率を高めると共に、関連書籍をいくつも読み「比較読書」に至れるように頑張りたいです。

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