酒井 譲 「はじめての課長の教科書」 読了

著者の酒井譲さんは、慶應義塾大学を卒業した後、オランダの大学でMBAを主席で取得。日本企業に就職された後、ヘッドハンター経由でオランダに移住。現在はオランダ企業でCFO(最高財務責任者)として活躍されている方です。

自分は最初に就職した会社(50人程度の規模のIT会社でワンマン社長)で2年目に直接の上司(で会社の取締役)から「リーダーやってみるか?」と言われました。会社の売り上げの半分を占めている取引先に対するプロジェクトの半分を統括するリーダーです。部下の数は10人弱だったと思います。

今考えると大抜擢だった訳ですが、当時の自分には、事の重大さも、上司の評価・期待もサッパリ汲み取ることは出来ず、体育会系の社風で「やるか?」と聞かれたら、「やります!」と答えるのが当たり前だったこともあり、深く考えず引き受けました。

管理職とはどういうものかという自覚がないまま、リーダーをやっていたのですが、上司が徐々に責任移譲をと思って振ってくれたであろう小規模プロジェクトの見積もりや会議なども「めんどくせー、実作業してー」とイヤイヤやってました。

結局、うまくいかずに徐々に権限と責任範囲が減っていき、適当なところに落ち着いたのですが、今度は「同じような作業と残業でつまらねー」と腐ってしまい、結局、会社を辞めてしまいました。

今だからこそ「期待されていたのに恩を仇で返すな、このバカヤロウ!(CV:みなみけ三女)」と思いますが、その会社にまともな管理職教育や管理職以外のキャリアパスが皆無だったのも事実。「システム開発なんてサッサと抜けて、管理職としてヘビーワークして高給もらうぜ」という志向だった同期はうまくいっているようです。

それで、「はじめての課長の教科書」ですが、2年目の俺に読ませてやりたかったです。課長という仕事の本質と、課長のやるべきこと、発生する問題への対処法、課長から先のキャリアパスと必要なことがすべて書いてあります。この1冊ですべて解決というわけではありませんが、タイトル通り、課長になってはじめて読む本としては最適だと思います。ここから自分に足りないスキル・知識をさらに詳しく扱っている本を探していけばいいわけです。

今まで同じコンセプトの本がなかったのが不思議なぐらい、必要だった本だと思います。俺は管理職に返り咲くことはしばらくなさそうですが、友人たちにそういう自体が発生したらプレゼントしたいと思います。

(・・・そういえばmixiで部下が出来たと書いていた友人がいたなぁ)

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コメント

  1. 酒井穣 より:

    はじめまして。ご紹介いただいた本書『はじめての課長の教科書』の著者です。まずは本書のお買い上げ、ありがとうございました。また、著者として非常に嬉しいコメントをいただき、ありがとうございます。
    おっしゃるとおり、管理職研修のようなものが整っている中小企業などは皆無なわけで、はじめて中間管理職に昇進する人向けの「まとめ本」がほとんど無かったというのは、本当に不思議でした。
    また遊びに来ます。今後とも、よろしくお願い致します。